試験室

品質管理をします。

品質管理職・本社

  • 自分の経験を次の世代に残せるよう日々を大切にしていきたい

    谷 裕美

    技術開発室 兼 品質管理室

    本社

    入社8年目

    工場で出来上がった製品がJIS規格(※)に適合しているかどうか検査するお仕事をしています。1種類の検査を行うために必要な検査時間はおよそ1時間程度。1製品につき複数の検査を行うため、3日通して検査し続ける必要があるものもあります。全く携わったことが無い仕事内容だったため、社外で検査担当者の研修を受けさせて頂きました。その甲斐もあり、今では検査を行うまでのセッティングは随分早く出来るようになりました。

    業務上、優先順位には気を使います。検証結果がいくつ必要なのか、製品の特性を考えてゴールを設定してから検査を行うようにしています。普段は一人で検査を行いますが、立て込んでしまう時などは技術開発部門にいる4名の方に協力を要請して業務を振り分けるようにします。そうすることでお客様へのご提案時期に支障が無いことはもちろんですが、きちんと準備する時間を残した状態で営業の皆さんにバトンタッチできます。「もう結果出たの?」と営業の皆さんに驚かれた時に、やりがいを感じます。

    当社の魅力はチームワークが非常に良い点にあると思います。新入社員の時、現場見学をさせて頂いて驚いたことは、全員が元気よく先に挨拶してくれたことです。大きな声で元気よく、です。見ず知らずの新人にも必ず挨拶してくれました。
    同時に当社は男性が多い職場でもあります。そのため産休や育児休暇の取得は前例がありませんでした。けれども今回私が出産を迎えるにあたり、会社サイドから「休暇を申請しませんか?」というお話を頂きました。有難い反面、私は「戻ってこられるのであれば戻ってきたいけれど可能なのだろうか?」と不安を抱えていました。その心情を察してか「落ち着いたら戻ってきて欲しい」と上司から先に声をかけてくださり、本当に嬉しかったです。今は私が良い前例になれるよう、次の人に残していけるよう、妊婦の状態を職場の方々にもきちんと伝えていきたいと考えています。
    もちろん復帰の目途が立つまでは他のメンバーに業務が振り分けなければならないのですが、当社は多能工化を推進していますのでスムーズに休暇に向けて準備が進んでいます。日頃から業務内容を共有し、協業していることが役に立ったなぁと実感した瞬間でもありました。ちなみに多能工化とは、「幅広く知り、深い専門性を磨く」ことです。このスタイルを重視することで、相手の立場が分かりやすくなり、より良い形で業務を繋げていけるのです。

    私も異業種の事務職から転身した一人です。全く経験の無い私が社内でキャリアを積めた要因として、学ぼうという意欲があればいくらでも学びを深められる環境があったことです。教えることに熱心な人が本当に多いです。

    その様な中、折角苦心して製造された商品が検査の基準に満たないことがあります。クレームや不具合も少ないですが、起こった時にすぐに当部門に調査の要請が来ます。ネガティブな状況下で、思わしくない結果が出てしまった時には時間に追われながらも検査の点数を増やし、正確に様々な角度からの検証を繰り返します。根気がいる作業を冷静に行うために、検査を行うための準備スピードを日々高められるよう、工夫と段取りの改善をし続けています。

    私の部署は先輩がいません。ですから外部で研修を受け、試行錯誤を繰り返して今の業務が成立するよう学び続ける必要がありました。外部研修だけでは十分ではないからです。今後は私と同様、未経験から始める方への説明に工夫を凝らし、すべてを共有できるよう注力していきたいと考えています。

    ※日本工業規格(JIS=Japanese Industrial Standardsの略)。日本の工業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格。 標準には、強制的なものと任意のものがあり、一般的には任意のものを「標準(=規格)」と呼んでいます。標準化の意義は、自由に放置すれば、多様化・複雑化・無秩序化してしまうモノやコトについて経済・社会活動の利便性の確保(互換性の確保等)、生産の効率化(品種削減を通じての量産化等)、公正性を確保(消費者の利益の確保、取引の単純化等)、技術進歩の促進(新しい知識の創造や新技術の開発・普及の支援等)安全や健康の保持、環境の保全等の観点から、国レベルの「規格」を制定し、これを全国的に「統一」または「単純化」することです。